2014年2月20日木曜日

主体性を発揮するために

皆さん、こんにちは。

3ヶ月ぶりの更新となってしまいましたね。ここ最近は、学生の卒論指導で心身ともに疲労困憊でした。学生には主体的に研究を進めて欲しいと願いつつも、実際には一人ひとり手を掛けながら、何とか卒論のレベルに持って行ったというところです。

それでもなかなか思うようには進まない学生もいて、日々自分のことのように苦悩していました。この辺りは、私のFacebook(【これでもか!という程に打ち込んで来たか?】)にも書いてありますので、もしよければご覧ください。

私自身、研究として「学生の主体的行動」や「モチベーション」をテーマにしているにも関わらず、あまり思うようには関わることができなかったように思います。


7つの習慣との出会い

そういった状況の中で、自身の研究や学生の教育指導にも大きく影響があるだろうと思い、スティーブン・コヴィー著の『7つの習慣』をじっくり読んでいました。この本との出会いは、今から5、6年程前にインテック・ネットコアという会社に勤めていたときです。





仕事と研究のバランスや仕事に対する意欲、モチベーションなどで悩んでいたときに、社長の荒野高志さんから勧められた本が7つの習慣でした。当時は博士号取得のためにどうしても自分の都合を優先しがちで、仕事に対する責任感や主体性はあまりなかったように思います。

その頃の自分を思い返して見ると、明らかに「主体的」な人間ではありませんでした。本当に反応的で自分勝手な人間だったと思います(今でも多少そういう部分はありますが)。

その時に勧められた本が7つの習慣だったのですが、当時は途中で挫折して、長い間本棚に積んだ状態でした。ただ、そのときに読んでいたとしても、内容はあまり理解できなかったでしょうし、本当の意味で腑に落ちることはなかったはずです。私自身がその本を読むに足るほどの人生経験人格が備わっていなかったからです。

じっくりと読んでみて

その後の数年間を振り返ると、様々な人達と出会い彼らとの切磋琢磨を通じて、人間的にも成長できた実感があります。ここ2~3年でいくつかの良書に出会えたことも大きいですね。

本書をじっくりと読み進めながら、これまでの自身の経験と照らし合わせて(数々の失敗や自分の配慮が至らなかった点などを思い返して)、少しずつ自分の中に吸収できるものがありました。本書を読んで特に重要だと感じたのは以下の2点です。
  • すべての問題は自分自身の「内」にある
  • 大切な相手が大切に思っていることを自分も大切にする
1点目は主体性に関する部分で、何か問題に直面した際に、相手や環境の所為にすることは主体的なアプローチとはいえません。自分が直接影響できない問題であったとしても、問題との関わり方(例えば、他者との接し方)を変えることはできる。例え影響できない問題であっても、自分の態度を変えることはできる。すなわち、すべての問題は自分が影響できる「内」なる問題といえます。インサイド・アウト内から外へ)という考え方で、自分の内面から変えていき、徐々に外側に働きかけるというものです。

2点目は相手を理解するという部分で、「相手を大切に思うのであれば、相手にとって大切なことを大切に思う必要がある」という原則です。自分にとっては大して重要な事柄ではなかったとしても、自分にとって大切な相手が大切と思っているのであれば、自分も同じように大切にするということです。MITの石井裕教授も「人の痛みを自分の痛みとして感じる」ことの大切さを常々語っています。人の痛みを自分のものとして受け止めなければ、深くコミュニケーションを取ることはできません。これも相手を理解する際にとても大切なことだと思います。

主体性を発揮するために

主体性とは、他人から指摘されて分かるものではなく、自ら気付く必要があるものです。では、どうすれば主体性を発揮できるでしょうか?

私の考えとしては、自分のしている事と成長がつながる意識を持てるか(=成長実感)、成功する未来の自分を思い描けるか(=自己効力感)が重要であると思います。

今回紹介した7つの習慣について、ある程度の概要は分かっていたのですが、これまでじっくりと読むことはありませんでした。読んでみて、本当に素晴らしい本だと思います。大変遅くなりましたが、紹介してくれた荒野さんに感謝したいです。私自身の抱える課題や目指す未来をより深く考えるきっかけになりました。素晴らしい本を紹介して頂き、本当にありがとうございました。

数年後、自分自身が更に成長したとき、また読み返したい本ですね。