皆さん、こんにちは。朝晩が随分と冷え込むようになり、もうそこまで冬が来ている実感がありますね。
さて、この時期の大学では
卒論が佳境に入り、
卒論中間発表や
卒論初稿の提出&レビューを実施していますが、まだシステム開発が終わっていない学生も多いようです。一方、3年生は卒論テーマ決定のための
卒論計画発表、
卒論序論の執筆、
就職活動の開始と自らの道を切り拓くため、進むべき方向を定めて歩み始めなければなりません。
1.7の習慣 ソーシャル輪読会
このようなターニングポイントとなる時期に差し掛かる中、
徳本昌大さんのご講演をきかっけに7月の計画・準備を経て、8月から開始した「
7つの習慣 ソーシャル輪読会」に3・4年生5名のゼミ生が参加してくれました(図1)。全8回4ヶ月に及ぶ輪読会も、いよいよ今回で最終回を迎える運びとなりました。最後まで付いてきてくれたゼミ生5名、きっかけをくださった徳本さん、輪読会にてコメントをくださった岡さん、そして毎回質の高い記事を書いてくださった
坂本さんに感謝いたします。ありがとうございました!
ソーシャル輪読会最終回(12/6開催予定)は、私も含め第7の習慣「
刃を研ぐ」についてブログを書き、みんなで集まってディスカッションすることにしました。
|
図1.ソーシャル輪読会の様子 ※ 静止画なのでクリックしても再生しません。 |
2.第7の習慣「刃を研ぐ」とは?
『
7つの習慣』とは、
人生の長期的な視点を見据え、人が
主体性を発揮するための道標となる考え方としてスティーブン・コヴィー氏が提唱した
人生哲学です。7つの習慣では、人が依存から自立することを「
私的成功」、自立した人同士が相互依存することを「
公的成功」とよび、それぞれ第1~3の習慣、第4~6の習慣を身に付ける必要があるとされています。
最後の第7の習慣「
刃を研ぐ」は、長期的な成果を得るために、再新再生を続けて自分自身を磨くことであり、
すべての活動の礎となるとされています。そのためには、以下の肉体・知性・社会情緒・精神の4つの側面をバランスよく磨く必要があります(図2)。
- 肉体:食事や運動、睡眠、時間管理などの生活習慣全般
- 知性:知識やスキル、考え方などの知的活動能力
- 社会・情緒:人間関係や人脈作り、貢献などの他者との関係構築
- 精神:価値観、人生の目的などの自分自身のあり方
これらの側面は、自分自身の
強みや
専門性、
オリジナリティとなるもので、自分という個を定義するための
拠り所であると言えます。アドラー心理学で言うところの「
貢献感」を得るためには、他者に対して自分が貢献できる何かを絶えず磨く必要があるでしょう。
|
図2.刃を研ぐ4つの側面 |
3.これまで研いできた刃
では、私がこれまでどういった分野で
刃を研いできたかを振り返りたいと思います。
- 高校時代:数学
- 大学(研究室配属前):数学, プログラミング, 論理的思考, 情報工学
- 大学(研究室配属後)と大学院:オンラインゲーム設計開発, 並列分散処理, ディスカッション, 論文執筆, プレゼン
- 会社員:チーム開発, サーバ運用, ネットワーク, データベース, Webシステム
- 研究員:ソーシャルメディア, ソーシャルアプリ
- 情報大:ソーシャルメディア, パーソナルブランディング, ライティング, 学生指導, キャリア教育, 7つの習慣, 主体性開発システム, ポジティブ心理学, アクティブ・ラーニング, 自律分散協調システム, プログラミング教育, 地域活動
これまで研いできた刃を見ると、前半時代は数学やプログラミング、情報工学などのエンジニアに必須とされるスキルを磨いてきました。その後、研究活動を開始してからは、自身の研究に対する意味付けやそれを実現するための活動(システム開発)、成果を論文としてまとめ学会でプレゼンするといった活動を通じて、
研究遂行能力を身に付けてきました。ただし、この時点では他者との関わり方はあまり意識していなかったので、
私的成功に至るまでの段階にいたと思います。
その後の後半時代になると、
学生指導のウェイトが非常に大きくなったことで、いかにして自身の負担を少なくして、学生によりよい教育を提供できるかを苦心するようになりました。悩んだ末に、
パーソナルブランディングや
キャリア教育、
主体性開発などの学生指導に直結しそうなテーマに取り組むようになりました。この時期は、元々の専門であったITそのものからは少し離れ、ソーシャルメディア活用や人脈作り、人生哲学、心理学などに興味を持っていた頃でした。この頃は、
私的成功はある程度は身に付けつつあり、
公的成功に至る道程を模索していたように思います。
その後、研究活動や学生指導に行き詰まりを感じるようになり、今後は
どのような刃を研いでいくかを考えるようになりました。そのため、自身の専門となる「
旗」を上げる必要があります。
4.これから研ぎたい刃
以上を踏まえ、これから
研ぎたい刃についてお伝えします。
- やりたい活動の朝化(肉体)
- 子ども向け教育システム(知性)
- 機械学習とデータベース(知性)
- 第5の習慣「まず理解に徹し、そして理解される」の実践(社会・情緒)
- 第6の習慣「シナジーを創り出す」の実践(社会・情緒)
- リベラルアーツに対する理解と研究との連携(精神)
まず
肉体面からです。こういったブログもそうですが、論文執筆や研究、趣味などの自分がやりたいことを朝一に持ってくるようにしたいです。元々夜型で早起きは苦手ですが、やりたいことがあれば早く起きてやれるのではないかと目論んでいます。
知性面では、自身の専門となる研究の柱を立てます。これまで迷走していた感がありますが、今年11月に来年度の科研費獲得に向けた研究計画書をまとめたことで、
ようやく自分自身がやるべき研究の方向性が見い出せました。研究テーマとする
子ども向け教育システムとその学習履歴を分析するための
機械学習や
データベースに関する知識・スキル・実行力を身に付けます。
社会・情緒面では、家族、学生、大学の同僚、学外の研究者、企業の方々との良好な関係構築を目指して相手の考えや価値観などを理解することに努めます。例えば現在は、学外の研究者との共同研究に向けて情報交換や役割分担などを相談しているところです。その中で自分が貢献できるように、自身の強みを高めるとともに、主体的に関わっていきたいと考えています。その結果、新しいシナジーが生まれることを期待しています。
最後の
精神面については、自身の視野を広く持つための考え方として「
リベラルアーツ」の基礎を身に付けます。現在取り組んでいる研究テーマが学際的であり、多様性を重視していることもあってリベラルアーツに興味を持ちました。リベラルアーツでは、あらゆる学問は1つの幹でつながり、それぞれの学問体系が枝や葉になっていて、すべての本質は通ずるという考え方があります。多様な価値観をもとに問題解決に向けて取り組むあたりの考え方は、国連が提唱する2030年までの持続可能な開発目標「
SDGs(Sustainable Development Goals)」とも本質的な部分では似ているように思いました。今後は、「
リベラルアーツの学び方 」に書かれたことを踏まえ、いくつかの教養を学びたいと思っています。
5.まとめ
今回はソーシャル輪読会の最終回にあたり、これまでの活動を振り返った上で、私自身の経験をもとに7つの習慣を再度確認しました。
自分自身の棚卸しをして、次の計画を練ることは、まさしく7つの習慣における
再新再生であり、自分自身のメンテナンスとしてよい機会と思います。
今回改めて実感したことですが、これまで自分がやってきた活動を無駄と言ってしまうのは簡単ですし、そう言えば少しは気も晴れるかも知れません。しかしながら、
その活動に意味付けをするのはあなたにしかできません。自戒も込めて言いますが、ぜひ皆さんも自分自身の活動に
意味付けをして、
新しい自分を創っていってください。きっとできます!
スティーブン・R・コヴィー キングベアー出版 2014-05-23
瀬木比呂志 ディスカヴァー・トゥエンティワン 2015-05-28